ベクトル解析のファインマン図
ベクトル解析のファインマン図
面倒なベクトルの内積や外積の計算を,ファインマンダイアグラムの如く華麗に計算できちゃうって話です.
『Boosting Vector Differential Calculus with the Graphical Notation』January 9, 2020っていう論文の解説記事です.なんとめっちゃ最新のやつですが,難しくはないです.(そこがすごいんですけど)学部生でも読めちゃいます.
この記事を読めば,例えば,こんな公式をグラフィカルに簡単に示せます.
最後のは第一項と二項のAとBの入れ替えという意味です.長いので省略しました.もちろん,A,Bはベクトルです.
以下はもちろん,上の公式が分かってる前提のお話です.まだ勉強してない方は一度複雑な計算は経験しおくべきです.また,この先はベクトルを散々計算した人推奨で,ベクトルとは何かなど基礎的な話は一切ありません.逆にベクトルのことを全く知らない人でもルールを覚えれば計算できます!
では本題です.
スカラー,ベクトル,内積
上に書いてあるように,スカラーは四角で囲んだもの,ベクトルはスカラーに毛が生えたもので表します.さらに,内積はベクトル同士の毛を繋げることにより表します.以下はいろんな演算の表し方です.図の書き方はかなり自由で,内積はとにかく線で繋がってさえいれば意味は同じです.
外積
が成り立つために,3本の毛が集まっている節の部分は,順番が保たれてなければなりません.つまり,以下の図を見てください.上図のように,節がねじれると,つまり時計回りに枝の色を読むと元の関係と異なっている場合,マイナスが付きます.ではベクトルの3重積を考えてみましょう.
3重積,4重積
3重積に関しては,A→B→C→Aの関係がある限り,変わらないというのは,覚えている方も多いのではないでしょうか?しかし改めて図にしてみると,その等価な関係性が一目瞭然です.では次に4重積を見てみましょう.個人的には4重積をまともに計算した経験はないのですが,恐らく大変でしょう.しかし,やはり図にすることで,あっさりと様々な関係性が導けます.次は覚えておくとめっちゃ便利な関係式です.ここでは定理って呼んでおきます.
定理的なやつ
この定理はしっかり頭に入れておいてください.次は微分演算子についてです.